戸籍に「フリガナ」が入りました
届出の期間は終わりました。だからこそ、いま確かめておきたいこと
カテゴリ:法律のはなし / 読了めやす 約4分
ご自分の戸籍に、新しい欄が増えていることをご存じでしょうか。氏名の「フリガナ」です。令和7年5月26日に始まったこの制度は、令和8年5月25日で届出の期間を終えました。つまりこの夏、多くの方の戸籍には、すでにフリガナが記載されているところなのです。
「たかが読み方」と思われるかもしれません。けれど一度戸籍に載ると、住民票へ、マイナンバーカードへ、やがて不動産の登記へと静かに広がっていきます。
そもそも、なぜフリガナなのでしょう
日本の戸籍には、これまで氏名の「読み方」が載っていませんでした。「和子」さんが「カズコ」さんなのか「ワコ」さんなのか、戸籍だけでは分からなかったのです。行政のデジタル化を進めるうえで読み方が定まっていないと本人確認に手間がかかる。そこで戸籍法が改正されました。
施行のあと、本籍地の市区町村から「あなたの氏名のフリガナはこう記載する予定です」というお知らせが郵送されています。届出ができるのは令和8年5月25日まででした。違う読み方を届け出た方はその読み方で、何もしなかった方はお知らせにあった読み方が、市区町村長の職権で記載されていきます。
届け出なかった方には、「一度だけのやり直し」があります
お知らせに気づかなかった、という方もいらっしゃると思います。そうした方のために、道は用意されています。
法務省の案内によれば、届出をしないまま市区町村長の職権でフリガナが記載された場合、そのフリガナは1回に限り、家庭裁判所の許可を得ることなく、届出だけで変更することができるとされています。ふつう、戸籍に載った読み方を変えるには家庭裁判所の手続きが必要ですが、この場合に限っては窓口への届出で足ります。逆に、ご自分で届け出た方が後から変える際には、家庭裁判所の許可が要ります。
どちらにあたるかで手続きが変わります。「お知らせが来ていた気がする」という方は、まずご自分の戸籍にどう記載されたかを確かめるのが先決です。取扱いは市区町村により案内が異なる場合もありますので、本籍地の役所にお尋ねください。
フリガナは、不動産にもついてきます
ここからが、司法書士としてお伝えしておきたいところです。令和7年4月21日から、不動産登記の世界でも「検索用情報の申出」という仕組みが始まっています。登記の名義人の氏名・フリガナ・住所・生年月日・メールアドレスを、あらかじめ法務局に届けておくものです。新しく名義人になる方は登記申請と同時に、すでに名義人の方も任意で申し出ることができます。
なぜここでフリガナが要るのか。この情報をもとに法務局が住民基本台帳ネットワークで住所の変わり目を把握し、職権で住所変更の登記をしてくれる仕組みにつながるからです。令和8年4月1日からは、住所や氏名が変わったときは2年以内に変更の登記をすることが義務になりました。あらかじめ申し出ておけば、引っ越しのたびに登記を忘れる心配が減ります。運用はケースにより異なりますので、詳しくは法務局や専門家にご確認ください。
名前の読み方という、いちばん身近な情報が、戸籍から不動産の登記までつながっていく。そんな時代になりました。
今日の要点
- 戸籍のフリガナ記載制度は令和7年5月26日に施行、届出期間は令和8年5月25日で終了しました。
- 届け出なかった方は、お知らせのとおりのフリガナが職権で記載されます。
- 職権で記載された場合は、1回に限り家庭裁判所の許可なしに届出だけで変更できます。
- 令和8年4月1日から、住所・氏名の変更登記は変更から2年以内が義務になりました。
- 「検索用情報の申出」は、法務局が職権で住所変更の登記をしてくれる仕組みにつながります。
戸籍のフリガナも不動産の名義も、ふだんは気に留めないものです。けれど、ご家族に相続が起きたとき、いちばん最初に確かめることになるのがこの「名前」と「名義」です。
しらかべ事務所では、戸籍の見方や不動産の名義のご確認についてご相談を承っております。「うちは大丈夫かしら」という段階でも構いません。どうぞお気軽にお声がけください。











































